ECサイトのプライバシーポリシーに必要な内容とは?

EC事業を立ち上げ、そのためのECサイトを準備している企業にとって、新規事業のスタートというのは熱量をもって邁進する一方で、やるべきことの多さに圧倒されがちです。

そのため、自社ECの仕組みだけに注力してしまい、「プライバシーポリシーの作成」または「公開済みのプライバシーポリシーの改定」まで検討しておらず、ローンチの直前になって慌てて準備したり、あるいは気付かずにサービスを開始してしまっている場合もあるのではないでしょうか。

プライバシーポリシーの作成・公開は「法的義務」ではありませんが、これからあなたのECサイトが成長する上で、顧客からの信頼を獲得し、法的リスクを未然に防ぐための、必要不可欠なビジネスツールです。

そこで、これからECサイトを始める皆さんが知っておくべき、3つの重要なポイントを取り上げます。プライバシーポリシーがなぜ重要なのか、そしてあなたのビジネスをどう守るべきかのヒントになると思います。

顧客情報を使ったマーケティングと、法律上の記載義務

ECサイトの大きな強みは、顧客の購買履歴や行動履歴という貴重なデータが手に入ることです。多くの運営者は、これらのデータを活用して「この商品を購入した人には、こちらもおすすめです」と表示したり、年齢や性別の統計情報を作成したりしています。

これは非常に効果的なマーケティング手法ですが、このようなデータを作成し利用することに関して、プライバシーポリシーにその目的を明確に記載することが求められます。

もし記載がないままこれらのデータを利用すると、場合によっては個人情報保護法違反となるおそれがあります。

顧客情報を顧客本人の同意なく利用していると見なされることで、法的な問題だけでなく、顧客からの信頼を失い、ブランドイメージを大きく損ねるかもしれません。

プライバシーポリシーは、顧客との約束です。あなたのサイトがどのようにデータを活用するのかを誠実に伝えることで、顧客は安心して商品を購入することができます。

連携先サービスの利用規約と、プライバシーポリシーへの記載義務

ECサイトによっては、次のようなサービスと連携している場合あると思います。

  • クレジットカード決済代行サービス
  • SNSログイン機能(Google、LINE、Xなど)
  • Google Analyticsなどのアクセス解析ツール
  • Criteoのような広告配信ツール

これらのサービスを利用しているECサイトは、顧客にとっての利便性だけでなく、運営者にとっても便利で効率的な運営を実現しているといえますが、この連携により、顧客の個人情報や個人関連情報が第三者に提供されていることが考えられます。

※サービスによっては、あなたのECサイトが取得した情報を第三者に提供しているのではなく、第三者事業者が直接個人情報を取得している場合もありますので、サービスごとにどのような情報の流れになっているのかを十分に確認する必要があります。

個人情報保護法では、顧客の個人データを第三者に提供する場合、原則として本人の同意が必要です。
プライバシーポリシーで、どの情報を、どのような目的で、どの外部サービスに提供するのかを具体的に明記した上で、第三者への提供について同意を得ることが大切です。

この記載がない場合、顧客は「自分のデータが知らないところで使われている」と不信感を抱き、最悪の場合、法的な問題に発展するリスクもあります。

また、Google Analytics などは、そのサービスを利用していることを明示する必要があることが利用規約で定められていますので、こういったサービスの規約に違反することのないよう、適切な対応も必要になります。

事業内容にマッチしたプライバシーポリシーを

このように、ECサイトのプライバシーポリシーは、顧客情報の利用という点をしっかり検討することが重要になります。

その点が十分に検討されず、不備のあるプライバシーポリシーは、顧客からの信頼を損なうだけでなく、法的リスクや予期せぬトラブルを招きかねませんし、それはEC事業の成長を妨げる大きな足かせとなるかもしれません。

「自分のECサイトのプライバシーポリシーはこれで大丈夫だろうか?」

少しでも不安を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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